また逢う日まで

2017年8月、愛する人が亡くなりました。ただただ悲しい気持ちばかりですが、現実と向き合いながら生きていこうと思います。この世にはもういないけれど、また逢える日を信じて。

やっぱり

やっぱり…うそだ。

彼がいないなんて嘘に決まってる。

彼が、彼が、いなくなるわけない。

写真や動画を見ると

彼が生きてる気がして。

やはり受け止めきれない。

昨日とはまた違う感情がこみあげる。


突然死、ほんとに突然なんだね。

経験した誰もが思うこと、

自分が経験するなんて。

そうなる前はやはり他人事なのだ。

「かわいそうに、めちゃくちゃ辛いよね」

私もそう言ってた一人なんだろうな。

かける言葉は難しい。ほんとにその通り。

だって経験もしてないのに分かるはずないんだから。

少し前まで生きていた人がいなくなる。

そんなの受け入れられるわけがないじゃないか。

だってさっきまでいたのだから

話して、笑って、未来を語っていたのだから。

いなくなると思って話してるわけじゃないから

覚えてなくて当然じゃないか。

開き直りかもしれない、それでもいい。


しかも悲しいことに奥さんじゃなくて恋人…

に残してもらえるのは思い出だけだ。

もらえる遺品も限られてるし、

仏壇もお墓も用意してもらう側。

招いてもらえただけでも感謝しなければならない立場。

彼と過ごした場所も遠ざかれば接点すらなくなる。

記憶だけ、頭の中に映し出される彼がすべてになる。

心の中で彼は永遠に生き続けるけれど

二人の思い出も更新されないし、彼も今の私を知らない。

それに『彼が生きていたら…』そればかり思うんだろうね。

やけくそ…それでも前に進めるならそれでいい。

彼は私を愛したまま待っていてくれるのだから。

私のお迎えがきた時、それはやっと彼に会える時だ。

明日かな?1年後かな?10年後かな?

いつかは分からないけど必ずくる。


でもね…こわいんだぁ…

彼がいないのを認めることが

彼との未来を描けないことが

生きる希望がなくなりそうで。

やはり自分は強がってるだけで弱いようだ。

彼が望んでない、そのことだけが

強くしてくれるみたい。

ほんとはずっと泣いていたい、落ちていたい

それで彼が戻るならね。

死んだ後、彼に会いたいんじゃない。

また同じ時を刻みたい

またあの日々を、幸せな日々を過ごしたい

…その先を一緒に歩みたい。

私はもっと欲深いようだ。

それは叶わないのに…

せめて今の彼がいるとこでもう一度

会えることを祈るしかないんだよね。

彼が待ってると信じて。


ただ…何を思っても泣き叫んでも

彼が戻ってくることはないだろう。

あの日の死んだ彼の顔が消えることさえもないのだから。

私が生きている限り彼はまだ生き続けるのだから。

私はまだ生きているのだから。

なぞの感情…その答え

今実家にいるのが不思議

いや、当たり前だとも思う。

彼がいないのを受け止めている

いや、現実逃避だとも思う。

真逆の考え、正反対の答えが

自分の中でぶつかって変な気分。

本来の自分がどんなのかも分からないが

いつ、私らしい私に戻れるのだろうか。

自分が思っている以上に精神がやられてるのかな。


ほんとはどこかで分かってるのかもしれない。

誰よりも彼に依存していた私

彼がいたからこそ生きていた私

彼のために生きていた私

それこそが答えだと。


今は思い出に色も音もない。

もしかしたらこのままかもしれない。

それでも、この感情が何なのか分からなくても

生きていかなければならないのだろう。


一つだけ今のうちでも分かることがある。

彼が残してくれたもの…それは

良い意味でも悪い意味でも今生きている私なのだと。

なぞの感情

突然襲われた感情。

お酒を飲んでるせいかな。


あれ…

私は確かに彼との思い出に涙している。

こないだまでの日々がなくなって

これからの未来がなくなって。

睡眠が浅いせいなのかな。

どんな声してた?

どんな話してた?

どんな顔で笑ってた?

いきなり思い出せない。

今確かに彼のことを想って泣いているし

勝手に涙がでてくる。

なのに深く思い出せない。

映像は確かに頭に流れてくる。

実はもう記憶が薄れてるの?

悲しいのは錯覚?

突然すべてが分からなくなった。

実はもう立ち直ってるんじゃないか。

彼のことを過去にしはじめてるんじゃないか。

いや…

記憶に蓋をしてるんじゃないか。

辛いから思いだすのをやめようとしてるんじゃないか。

なにがなんだかわからない状態だ。

少し前から頭がふわふわしてると

言ってたけど、よりひどい。

こないだまで彼といたことすらなぜか曖昧だ。

ほんとに生活はしてたの?

海に行ってたの?

…彼はいたの?


昨日、今はまだ記憶が薄れることはないと

安心したばかりなのに急に。

辛いのも悲しいのも嘘じゃない。

泣いてるのも彼を想ってのこと。

なのに、それなのに…

彼のことが深く思い出せないような

何かがひっかかってるような。

やはり自分で閉じ込めてるだけなのかな。

記憶は薄れるものだし、時間が経てば美化もされる。

ただ…もやっとしてる感じで

よくわからないのだ。

なぜかいきなり襲われた恐怖の感情。

彼とのツーショット写真。

隣に写る自分が他人に思える。

誰だこれ…

こわい、こわい、なんだかすごくこわい。

説明するのが難しいんだけど。

幸せそうに笑ってるのが自分じゃないような。


うちは薄情なやつなのか。

少しでも、ひとかけらでも

忘れたくないはずなのに。

涙もでる。会いたいとも思う。連れていってとも。

なのになぜ…?

彼はほんとにいたのかすら不思議に思えてくる。


感情を押し込めたのか、薄れたのか

何がほんとなのかは

自分ですらわからないのだから

誰にもわからないよね。

ほんとに好きだったはずなのに

好きじゃないのではないか

ほんとに大事だったのに

それほどではないんじゃないか。

そんなことすら思ってしまう。


突然わいたこの感情を

わたしはどうすることもできない。