思ってもいなかった
少し前向きになれる時間があって
かなり気が落ちる時間がある。
『死ぬ』ということを
いまだによく分かっていないのかもしれない。
家族でも仲の良い友達でもなく
いつも一緒にいた彼だった。
祖父は亡くなっているが…
初めて買った喪服で家族もいない
一人きりでの初めてのお葬式を経験した。
家族でさえ耐えられないと思っていたのに
ましてやそばにいてくれた彼がなんて
本当に思ってもいなかった。
だから今でもよく分からないのかな…
昨日まであった当たり前の毎日が
突然なくなることが。
歳の差があるからいつかはと思っていた。
「もう歳だから十分生きたよね」
そう言えるもんだと。
根拠もなく、健康な生活を送ってたわけでもないのに
あわよくば私が先に逝きたいとすら思っていたから
いろいろお願いしていたくらいなのに。
だから彼がもし死んだときのことは
冗談くらいにしか聞いてなかったよ。
本当に、本当に…こんなに早く
この日がくるなんて思ってもいなかったよ。
今でも…分からない。
会っていない時間は増えていくのに
ただそれだけで実感もないんだよね。
そろそろ会いたいな。