また逢う日まで

2017年8月、愛する人が亡くなりました。ただただ悲しい気持ちばかりですが、現実と向き合いながら生きていこうと思います。この世にはもういないけれど、また逢える日を信じて。

いらない携帯

普段鳴ることのない携帯...
鳴るのがこわい。
動悸がとまらなくなるほど。
最初で最後の着信履歴
亡くなった時刻に私が送ったたった一度のLINE
消えないように大事に...
最初の画面保護シールもめくれたまんま貼ってある。
私にとっては遺品のようなもので
変えたい気持ちはあるけど
消すのも嫌で。
連絡も滅多にこないから
ほとんど使っていない。


彼のお昼休憩にはほぼ毎日電話があった。
終わる時間が決まってなかったし、職場からすぐだから
終わったら連絡がきてアパートの下に降りる
それが日課のようなもんだった。
だからスマホじゃなくてもいいよねって
ガラケーにしたんだけどな。
壊れる前のスマホには
彼との日常がいっぱい残っていたのに...
これも少しでもうちが引きずらないために
壊していったのかと思うくらいのタイミングだよね。


彼のご家族から連絡があった。
もう自分からする以外こないと思っていた。
彼と同じ名字が映ると
あり得ないのに期待してしまう自分がいる。
絶対にないのに...
電話でなくSMSで送ってくれたのは
気遣ってくれたこと。
それでも見るのが怖くて
なんで?どうして?


元気か、どうしているか
ただ単に心配してくれている内容だった。
それでも堂々と返信できないのは
きっと新しいスタートをきれていない
自分がいるからなのだろう。
引きこもっているなんて言えなくて
また嘘をつく...ごめんなさい。
後ろめたい、罪悪感があって
情けない自分に腹が立つ。
早く、早く、なんとかしなきゃ。
来ることがあったら連絡してください
という言葉まであって
本当に優しくて温かいご家族で。
それなのにどうして彼がいないのだろうか。
いなくては意味がないんだけどな...


もう二度と彼からの連絡がこない
良い知らせなんてない
また嘘をつかなくてはいけない
そんな携帯。
こわい、いらないよ。

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