また逢う日まで

2017年8月、愛する人が亡くなりました。ただただ悲しい気持ちばかりですが、現実と向き合いながら生きていこうと思います。この世にはもういないけれど、また逢える日を信じて。

引っ越し

引っ越し当日。

父と兄が手伝ってくれることになった。

朝6時に出発、PAで朝ごはん。

彼とも寄ったことがあった。

江ノ島でけんかして、生しらす丼が食べられず

気を使って寄ってくれたのだが…

「釜揚げしらす丼じゃなくて‼」って

より機嫌が悪くなったのを覚えてる。

帰りの道中長くて、喋れないのが辛かったけど

意地はって帰るまで仲直りできなかったんだよね。


よく通った見慣れた道が見えてきた。

何度も何度も一緒に通ったよね。

もう少しで着くってなったら

雨が降りだした、晴れの予報なのに。

さっそく荷物を積み込む。

その後、不用品回収をお願いした。

業者の情報が少なすぎて

田舎すぎて探すのが大変で

初めて便利屋を利用した。

冷蔵庫、電子レンジ、こたつテーブル、布団…

彼と使ってきたほとんどの物を処分。

寂しいなぁ。

あっという間に空になって…

今でも来てくれそうな気がするのにな。


彼の家にサーフボードを取りに行く約束をしていた。

ご両親元気そう。

彼が全部持っていってくれたおかげだね。

「親父長くないな」そう言ってた彼のが早かった。

彼が買ってくれたファンボードと

彼がくれたショートボード、

ウエットスーツとボードケースを持っていくことに。

彼のボードがあと4本あったけど(高いやつ)

へたくそなうちには乗りこなせないよ。

すごく大事にしてたから

うちには貸してくれなかったけどね。

「なんでも好きなもの持っていって」

そう言ってくれたけど探す勇気はないかな。

少し前まで二人楽しい時間を過ごした彼の部屋。

やっぱりいないなんて嘘みたいだ。

新しくできてたお仏壇に手を合わせて

ご両親とお別れ。泣いてくれた。

寂しいと…彼は幸せだったと…前を向いて歩いて欲しいと。

「いつでも遊びに来て」そうとも言ってくれた。

涙がとまらなかった。

そして見えなくなるまで見送ってくれた。

彼の時には恥ずかしくてできなかったけど

はじめて振り返ってみた。

彼じゃないけど…

彼もいつもうちの後ろ姿を

見てくれていたのだろうか。

一度くらい振り返って見とけばな。


最後にお墓に寄ることができた。

「絶対会いにくるから」と約束。

帰り道も晴れてるのにスコールだった。

彼は行かないでって言ってるのかな…なんてね。


遊びに来た親に「またね」と別れて

帰る家はもうない。

いつもは待っていてくれる彼がいない

話しも聞いてもらえない。

彼は私から離れていった。

私も彼から離れていく。

ほんとはそばにずっといたいのに。

どこにいても見守ってくれている、はずだけど

やっぱり離れてしまうような感じがする。

彼と過ごした町から…


すべて終わってしまったんだね。

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