また逢う日まで

2017年8月、愛する人が亡くなりました。ただただ悲しい気持ちばかりですが、現実と向き合いながら生きていこうと思います。この世にはもういないけれど、また逢える日を信じて。

少しだけ

ほんの少しだけ在宅ワークをしてみた。
彼が生きていた時やっていたこと。
ほんの少しだけ英語の勉強をしてみた。
彼が生きていた時にやってみたかったこと。
ほんの少しだけ前を向いてみようと。
やっぱりだめだった・・・頭に何も入ってこない。
彼との思い出がぽっと浮かんで泣いてしまう。
彼がいないとできないことのように思えて。
助けて、逢いたい、彼と過ごしたい、そんな思いばかり。
逃れるようにマンガや映画を見る弱くて甘い自分。
(最近はそれすらだめになってきたのだけど)
彼のことを考えないように、思い出さないように。
怖くて自ら思い出すことをやめた、写真もあまり見なくなった。
日記を振り返ることもできない。
今はとにかく怖い。


彼が亡くなってから彼の両親に会うたびに
「これからどうするの?」そう聞かれていた。
「これから考えます」そう言ってから1ヶ月が経った。
何も変わっていないなぁ。
情けないなぁ。
堂々と彼に会いに行くこともできない。


なんだか少し疲れたな・・・
今日は誰も家にいないからか。(父が入院したため)
母が早めに帰ってきてくれるみたいだけど。
誰かがいる時は一人になりたいと思うのに
一人の時は誰がいて欲しいと思う。
寂しい・・・うちってめんどくさい奴だな。


今日も彼とお酒を飲もう。
缶チューハイを持って笑う写真の彼と乾杯。
もはや日課になった。
何も頑張っていないのにね。

過去は振り返らない

いい子ぶってる。

昔言われたこともある。

いい大人だし、自由なところもある。

だけどお酒もたばこもどこか後ろめたさを感じてるし

隠してしまう、やりすぎなのではないかとも。

彼との生活だってどこかで

このままでいいのかと思っていた。

遊んでばかりで嫌なことから逃げて…

言い訳ばっかで、言い聞かせて。

誰かにそんなことないよって言って欲しいのだ。

そのことも彼だけは受け入れてくれて

彼がいいって言ってくれることでどこか安心してた。

「飲みなよ、吸いなよ」

「そんな時があったっていい、人生のうちの少しなんだから」

その言葉を言ってほしくて…

言ってくれるの分かってるんだけどね。

彼は全く気にする人じゃなかったな。

自分のしたいようにする、自分がいいならそれでいい

そんなところも尊敬していた部分なんだろうな。


こんなうちを受け入れてくれていた彼。

文句ばっかだったのに

(笑って流されるから効果なかったけど)

わがままばっかだったのに

愛想も尽かさず愛してくれた彼。

そんな人がいなくなるなんて思ってもいなかった。

照れくさいことはお互い言わないけど

人から聞けばのろけてるようなそんな関係。

これからも続くと信じていた。

それがなくなった…

愛してくれた彼、愛した彼

その彼がもういないなんて

受け入れることができるわけない

受け入れたくないのだから。


「過去は振り返らないから」

都合いい時も使ってきた言葉。

「ひどい奴だな」そう言われる冗談の時でも

使ってきたしそうしてきた気もする。

意外と前に進んでいきたいタイプだ。

ただね…

彼のことだけはどうしても過去にできないよ。

強がりでもいいから、かっこつけでもいいから

彼にそう言えたらいいのに。

過去と未来

最近彼は夢に出てきてくれなくなった。

いつももう彼はいないことになっている。

にぎわっている海をみて

「あー、サーフィンやりたいな」

隣の人が誰かはわからないけど

彼を想ってそう話す自分。

願望なのか彼からのメッセージなのか。

亡くなってすぐはいっぱい会いにきてくれてたのに

きっと今は楽園で楽しんでるに違いない。


朝起きると

「今日も1日見守っててね」

夜寝る前は

「今日も1日見守っててくれてありがとう、

明日もよろしくね」

そして心のなかで「大好き、愛してる」

これが習慣になった。

きっと彼は「しらじらしい」

って笑ってるにちがいない。

照れくさかったから

誉めるどころかけなしてたからね。

うちの照れ隠しを知っていたのか分からないけど

たまに言えばいつもそう返ってきたな。


あるマンガに出てきた何気ない一文。

『今のあなたは彼に恋してるのではなく

思い出を愛している』のだと。

確かに…彼がいなくなったら

そうゆうことになるんだね。

だって生きててもその後どんなことがあるか分からないし

もしかしたら彼を嫌いになることだって

彼に嫌われることだってあるかもしれないんだから。

これから私にできることは

過去の彼との思い出を愛することと

想像した彼との未来を愛すること。


ともに生きていく彼を愛することはもうないんだね。

『彼の分まで生きていく』

そうなれたらいいのにな。