また逢う日まで

2017年8月、愛する人が亡くなりました。ただただ悲しい気持ちばかりですが、現実と向き合いながら生きていこうと思います。この世にはもういないけれど、また逢える日を信じて。

彼のすごさ

彼が死んでから
生活が一気に変わった。
彼がいないし
住んでいた町を離れたから
当たり前なんだけど。


私は在宅ワークだったからこそ
彼との楽しい日々になっていたけど
彼にとってはハードだったに違いない。
今思えば…。今だから思う。
朝は早くて夜が遅い仕事だった。
なのにお昼休憩には
買い物も連れて行ってくれたし
冬なんかはウォーキングにも連れて行ってくれた。
(私が虫嫌いだから冬のみ)
家でゆっくりすればいいのに
コンビニ行こうだの
家にちょこっと寄るねだの
そんなにうちに会いたいのかってくらい
(うぬぼれかもしれないけど)
5年間ほぼ毎日会っていた。
めんどくさがりなうちが
一人家にこもらないようにするためだったのかな。
夜会えるのにお昼にも会いにきてくれて。
夜はお酒を飲みながら私に付き合ってくれて
家には早朝に帰ってた。
きっとその後子供たちやご両親の用事も聞いてたに違いない。
最後の1ヶ月、彼の生活を知った時
すごいなと思ったけど
それよりも彼と過ごせることに浮かれて
当たり前のように甘えてしまってたな。


休みの日は、半日なら午後でも午前でもサーフィン、
波がないならドライブやウォーキングしたり。
一日休みなら少し遠出して
春夏は基本海、秋冬はショッピングや雪遊び。
家でゴロゴロだけなんて日は
一日もなかったのかもしれないほど。
あのときはこれが普通だったけど
今思うと彼はすごすぎる。
同じ職場を経験したからこそ
仕事の辛さを知ってる。
休みの日は寝るのが普通なくらい。
それに加えてどうでもいいような私の話を
嫌な顔もせず聞いてくれたんだから
責め立てるようなことも
怒らないで受け入れてくれて
本当に優しい人だった。
冗談で返してくれてね…
今になって彼の優しさがより分かる。
彼がいなくならなかったら分からないこと
彼がいなくなったからこそ分かること。
それがまた悲しい…


私と彼が5年間の人生を楽しめたのも
二人出会えたからだとそれくらいは思いたい。


私が今、暇だと思うことも
毎日つまらないと思うのも
彼との生活があったからだろうな。
サーフィンもウォーキングもしないし
外に出ることもほとんどない。
かなりの運動不足だね。
彼はなんて言うだろうか。
彼が生きてたら…そう思っちゃう。
やっぱりいやだなぁ、
私の人生に彼がいないなんて。
信じたくないよ。


少しでも残しておきたい
彼が私にくれた思い出を。

心ない言葉

昔から母と合わないことが多い。
彼と会ってからは
たまに会うのがいいと
思うようになった。
最近までは旅行の時だけ
実家に帰るようになって
楽しい時間だけ過ごしてたのにね。
たまに用事で家帰ると
早く彼のところに帰りたくて。
家族ってそうゆうもんなんだろうね。
長い時間いるとうっとうしくなって
離れると有り難みを感じて。
私の気持ちを察して
彼はいつも「お疲れさん」
そう言ってくれてたよね。
そのままでいたかった。


母の言葉はつもりはなくても
言い方にトゲがあるし
イライラもする。


金銭面でも頼ってる部分はあるし
助けられてるから感謝もしてる。
優しいところもたくさんあるし
好きな気持ちは変わらない。
だけど素直な気持ちだけではいられない。


昨日の夜、たわいもない話の中で
「寄り添ってくれないよね」
冗談ぽく私が言った言葉に
「誰なら寄り添ってくれるの?」
なんて言葉が返ってきた。
迷わず「○○!」と言うと
「もう死んじゃった人だからね」と。


…。


そうゆうところ。
親の前では気を遣って振る舞ってるところもあるから
前の私に戻ってきたと思ってるのかもしれない。
一番自分が分かってて辛い言葉だった。
本当はずっとずっとずっと…
彼を支えにしていきたいのだから。
なのに彼がいない現実を突き付けられて。
本当のことだと分かっているから
こんなにいらついてしまうのか。


『早くこんなとこ出て行きたい』
そう思うことを踏み出す一歩になんかしたくないのにな。


こんな時は
「○○のお母さんは偏向だからね」
笑ってそう言ってくれたのにね。
視野がせまいとか
幸せそうな○○がうらやましいんだよとか
どんなことを言おうが
いつもうちの味方でいてくれたね。
血のつながりもあるかもしれないが
彼の優しさが身に染みる。


彼にとてつもなく会いたくなった。
そして自分の甘えと弱さに情けなくなった。

帰りたい

久々に友人と会った。
彼が亡くなってから3回程会ってくれている。
彼女は人生をとても楽しんでいる。
仕事も頑張って出会いもたくさん求めて
プライベートも充実して。
2ヶ月会わない間に
またたくさんの人と知り合っていた。
「なんでそんなに出会いがあるの?」
そう聞くと
「自分から出会いを求めてるからね」
当たり前のようで
すごいことのように思う。
いろいろな人と出会って
いろいろな所に旅行している。
いいな…引きこもってる限り
そんなことはありえないのに
純粋に楽しんでる彼女が羨ましい。
彼女の性格的に、人生だからいいと思うが
私には真似できない。


私もそうしたい、そんな感情はあるが
所詮ないものねだり。
いっそのこと彼以上の人が現れてくれたら…
彼のいないあまりの寂しさにそう思ったり。


誰でもいいから寂しさを埋めたくなる、
自分には無理だと分かっていてもね。
どうして私を置いていったの…。


休日の外出はやっぱり辛い。
たくさんの人がいて、幸せそうな人がいて
なぜ私の彼はいなくなったんだろう、と。
こんなにもいっぱいいるのに。
同じ思いをしてる人もいる、私だけじゃない。
そう言い聞かせても
経験した人なら誰もが思ってるんだろうな。
どうして私なの?
…ではなくて
どうして彼なの?
なぜ彼なのか、その答えは一生でない。


たくさんの人が行き交う中で
彼がいればすぐに見つけられるだろう。
そしてまた彼を想像する。
あの日のことを…。


ねぇ○○、色が黒い人ってなかなかいないもんだね。
やっぱりこの人混みは慣れないよ。


帰りたい、そう思うのに
もうないのか、私の帰る場所は。
彼のもとに帰りたいのに。
今日あった出来事も
嫌だと思った気持ちも
吐き出すところもなければ
聞いてくれる彼もいない。
あの日々に、彼がいたところに
帰りたい。


「毎日何してるの、飽きない?」そう聞かれて、
「とっくに飽きてるよ」と答える。
引きこもってるうえに
楽しみも喜びもなくて
唯一の生き甲斐でもあった
夜の晩酌ですらつまらなくなってきた。
前から飲んでたけど
依存してるところもあるのかな。


あとは祈るばかり、
生きてることに飽きませんように…