また逢う日まで

2017年8月、愛する人が亡くなりました。ただただ悲しい気持ちばかりですが、現実と向き合いながら生きていこうと思います。この世にはもういないけれど、また逢える日を信じて。

ドライブ

昨日は兄がドライブに連れて行ってくれた。

といっても私はついでなんだけど。


久々の早起き。

いつも起きれなくて悩んでるのに

出かけるとなるとなぜか起きれた。

彼と遠出する時もそう

「こうゆう時は起きれるんだから」

またそう言ってるだろうか。


奥多摩経由で山梨へ。

東京に住んでたのは

高校までだし友達と車で…

なんてこともないから知らない道。

そして乗りなれない車。

それが彼とたぶらないせめてもの救いだ。


兄と二人一緒に出掛けたことなんてない。

きっと彼よりカップルに見えるんだろうな。

ご当地名物を食べたり

道の駅寄ったり

富士山見たり…

笑って楽しめてる…はず。

でもね、彼だけが足りない。


また少し一歩を踏み出した、

彼のいない人生を。

これもまた彼が

いなくなったからこその出来事。

彼に話したくてたまらなくなくなった

珍しく一緒にドライブしたんだよって

富士山に雪が積もってたよって

一緒に行きたいなって。


『彼だったらいいのに』

心の中ではそんなことを思う。

きっと彼とだったら…

喫煙所を見て

お土産屋を見て

登山者を見て

景色を見て

彼を想う。

何を話しただろうか。

彼の運転してる姿が浮かんで

寂しくなる。

もう彼とのドライブはないのか…


こんな風に思い出せるのに

彼を遠くに感じた。

今日は

今日はとても眠い。


このままぐっすりと

眠れるだろうか。


彼が出てくる

幸せな夢を見れるだろうか。


それとも…

彼に会えるだろうか。

死なない

彼は言ったんだ

死なない、死ぬわけないって。

そう言ったのに、約束したのに

彼がそう言ってたからこそ

彼の死を今でも受け入れきれない私がいる。

実際にはいないんだけどね。


彼の死を恐れていたところもあった。

サーフィン中にサメに襲われたら…

サメがでるとこではやらないようにしよう

お風呂の時ヒートショックになったら…

心臓マッサージできるようにしておこう

運転中事故ったら…

煽るのはやめてよって

不安はあったから少しは注意もしてた。

一番怖かったのは津波で

職場が海目の前だから

絶対生きて帰ってきてねって

すぐ逃げてねって

そのために原付バイクも貸してたのに。


起こるかもとは思っても

実際に起こるとは思わない。

幸せなほど怖いことだけど

幸せなほどほんとに起こるとは思わない。

当たり前の毎日にいるからこそ

まさか彼がなんて思わない。


「そのうちね…」

そればっかりだったかもね。

たばこだってそう、

すぐに辞めようとなんてしてなかったのだから

だから夢で教えてくれてるんだよね…

○○のせいじゃないよ、と。


彼が死んだらどうしようって

何度も思うことはあったけど

今すぐ死ぬなんて全く思わなかった。

彼だって自分が死ぬなんて思ってなかったはずだ。

「明日ね」

そう言って別れたんだから…

それが最後だなんて思うわけない。

きっと今も生きていたら

当たり前の毎日を何一つ

疑うことなく生きているだろうな。

くだらないことばかり言って…


彼は根拠なく死なないと言った

私も根拠なく彼が死ぬはずないって思ってた

だから私たちは結局何もしなかった


これが私たち二人の人生の結末。

私一人残されて

勝手に思ってることだけど

『二人で選んだ道』

でいいんだよね?


一人ぼっちになった今

そう思うしか

私は生きていけない。


彼に会いたい