また逢う日まで

2017年8月、愛する人が亡くなりました。ただただ悲しい気持ちばかりですが、現実と向き合いながら生きていこうと思います。この世にはもういないけれど、また逢える日を信じて。

前向き

絶望を感じながら前向きな気持ちで考えてみる。


彼は毎日楽しんでいた、特に最後の数ヶ月は。

20年以上働いて初めて長い期間の有給がとれた。

好きな時にサーフィンもしたし

楽しみにしてた沖縄も行けたしたくさん遊んだ。

早い時間からお酒も飲んだし

毎日たくさん笑った。

もちろん家のことで大変だったし

週末の仕事すらめんどくさがってたけど

生き生きしていたと思う。

大好きな海で最後を迎えられた。

彼は幸せだったんだ、そう思うこともできる。


彼は若い頃結婚して子供もいる。

海外にも行ってサーフィンを楽しんでいる。

そんな彼が生きた人生までうちにはあと20年以上ある。

彼と結婚するか悩んでたし

若い子の方がいいと思ったこともあった。

彼はもういないんだから

他の誰かを好きになって結婚もしたいと思う。

その出会いは明日かもしれないし、何十年も先かもしれない

さらには死ぬまで独身かもしれない。

それでもいいのだと。

死んだら彼が待っていてくれるんだから

運命がくるまで楽しめばいいじゃないか。

「人生楽しんだもんがち」

彼の言葉通りまた違う楽しみ方をしよう。

うちの幸せが彼の幸せ、そう言ってくれた

その言葉通り幸せになろう。

実際、棺の中に彼宛てに手紙を書いていれた。

○○より好きになった人と幸せになるから

悪い男に捕まらないように見守っていてよ

怒らないでよ、と。


サーフィンもっとうまくなって

おいしいものたくさん食べて

いろんなこと行って

いっぱい笑って…


5年以上一緒にいて

彼が教えてくれたことがたくさんある。

自然に生かされてること

人生の楽しさ、愛し愛されることの幸せ

生き方、考え方

彼に出会って変わったことばかり。

今のうちがいるのも彼のおかげだ。

彼がいたからこそ

生きてこれたのかもしれない。


いつでも泣いてたら心配しちゃうよね

笑ってないなんてうちらしくないよね

そんなの彼は望んでないよね


彼の分まで生きていこう。


そんな風に思えることもある。

後悔

私が彼の命を縮めてしまったのだろうか。

たばこをやめていれば

お酒を減らしていれば

高血圧の薬をやめなければ

食事に気を遣っていれば

ストレスを減らしていれば

あの咳に危機をもっていれば

もっと、もっと…ちゃんとしてれば

彼は生きていたかもしれない。

今考えてもしょうがない

たらればばかり。


たばこもお酒も一緒にしていた。

出会う前までやめてたのに

仕事のストレスで

最初に吸い始めたのは私だ。

いつのまにか彼の方が本数は増えて

辞められなくなったのだけど

夏が終わったら辞めようと話してた。

お酒も毎日たくさん一緒に飲んだ。

その時間が二人の楽しみだった。


高血圧の薬は飲んでたけど

必要ないという情報もあって

ならいっかっと判断した。

いろいろ説があるから何とも言えないけど

やっぱり飲んでた方が良かったのかも。

死ぬ2日前、漢方を買おうと話してたばかりだった。


毎日うちの料理を食べてたわけじゃないけど

少しは気にしてたけど

もっと考えるべきだったな。


同じ職場だったから

仕事の辛さも知っていた。

家のこともださなかったけど

心身ともにかなりの負担だったのかも。

うちのわがままもうざかったのかも。


少し前から変な咳をしていた。

他にも症状があって風邪だと思ってたし

咳うるさいと言ったこともあった。

今思えばあれが前兆だったのかも。


彼はうちよりもいい歳した大人だし

うちが言っても辞めなかった。

彼がした選択でもある。

そう全てに言い訳をして

自分をかばっている私がいる。


彼を殺したとまでは思ってないけど

本当は…本当は…後悔ばかり。

「たばこやめてたのに」

「高血圧なのに薬やめてたから」

そう言われるたびに

自分のせいだと思ってしまう。

すべてを話した人が

「あなたのせいじゃない」

そう言ってくれる。

ただそう言われたいだけなのだ。

うちのせいで彼は死んだんじゃない

彼はどんなことをしてようが

しまいが死ぬ運命だったのだと。

二人がした選択…それも運命。


だけどね…一つでも何かしてたら

彼はもっと生きられたのかもしれない。

突然死、様々なことが重なって

なることだとしても

防げることができたのかもしれない。

うちと彼は高血圧をなめていたのだ。

遺伝性だしすぐ死ぬわけじゃない。

だから大丈夫、そうどこかで思ってた。

根拠のない自信。

そんなものなんてやっぱりなかった。


あの時こうしてれば…

そうしてないから今があるのに。

「○○のせいじゃないよ 」

彼ならそう言うだろう

都合のいいように考えてみても

自分のせいではないとしても

どんなに後悔しようが

彼がいない、それだけが現実。

絶望②

彼がいない人生はつまらない。

あんなに楽しかった

あんなに幸せだった

毎日が一瞬にして終わった。


『自ら命を絶っても彼のもとにはいけない』

それだけが今の自分が生きている理由だ。

だって彼に会いたいもん。

あっちで会う約束してるから。

強がりを言わなくていいのだったら

心の思うままでいいのだったら

死にたい、消えたい

彼のところにいきたい。


嫌だ、嫌だ、嫌だ‼

会いたい、会いたい、会いたい‼


いないなら意味がない。

彼がいないことなんて考えられない。

彼がいたからこそ楽しかった人生だ。

彼は死にたくて死んだんじゃない

もっと生きたかったはずだ

それも分かってる。

だから許されるのなら…

楽になりたいよ。


大事にしたい気持ちがありつつも

いっそのこと全て忘れたい気持ちになる。

こんな気持ち知りたくなかった

こんな悲しいこと体験したくなかった。

彼に会わなければ…

最低なことを思ってしまう。

もし出会わなければ

こんな思いをしなくてすむ。

もし付き合わなければ

こんな幸せもしらなかった。


朝起きるのがつらい。

彼がいないんだと実感するからだ。

夢ならいいのに

本当は夢なんじゃないか。


今の自分がいるのは

彼のおかげなのに

何もかも忘れて逃げたい。


そう思っても

何一つ変わらないのだけど。