彼のところへ
気付けば納骨から半年以上も経っていたのか。
友達が誘ってくれた。
怖い、とてつもなく怖いけど
彼に会いに行くことになった。
行きたい気持ちはあるのに
いないという現実に向き合うのが怖い。
いつも彼のもとに早く帰りたくて
だから長い時間かかる電車も嫌いで…
だけど会えるのが楽しみで…。
なのに…
もう迎えて、待っててはくれないんだよね。
「お帰り」「お疲れさん」
って乾杯できないんだね。
今は当たり前でもあのときは
実家じゃたばこもお酒も我慢してたから
解放される瞬間でさ。
それで一人喋り続けるのを
ひたすら聞いてくれて。
毎日見ていた海が見えてくる
彼が眠っている海。
もう泣いてしまいそうだ。
ただいま…そう言えたら。