また逢う日まで

2017年8月、愛する人が亡くなりました。ただただ悲しい気持ちばかりですが、現実と向き合いながら生きていこうと思います。この世にはもういないけれど、また逢える日を信じて。

記憶だけ

長いと思っていた彼との5年。

それでも私に残された彼との物はこれだけなのか…

そう思う時がある。

6帖の部屋にサーフボード2枚とウエットスーツ、

小さめの二段の棚。

棚の上には写真、中には思い出のBOXと

ぬいぐるみ、バイクのメットのみ。

物を買うのはお互いあまり興味なかったから

出掛けたり美味しいもの食べたり…

思い出ばかり。

写真もそんなに撮る方じゃなかったから少ないし

喋ってるのは一つ、酔っ払った彼の動画だけで

後はサーフィンしてる数秒の映像が数本。

もっと撮っておけば…今さらだけど。

現実には彼がいたから

写真の彼のが不自然な感じだ。


私の中に残る記憶だけ。

消し去ろうとすれば

本当に忘れてしまいそうな儚いもの。

そうでなくても少しずつ変化してるのが怖い。

きっと、嫌でも、美化されている。

どんなに好きでも、嫌なとこ、不満なとこもあったはずなのに

彼のいいとこばかりを思い出す。


結婚していたらまた違っていただろうか

今も彼と過ごした空間にいれただろうか

そしたらもっと今でも近くに彼を感じているだろうか。

『恋人』という他人…

少ない思い出の品と彼と過ごした記憶

今残されたのはたったそれだけ。

付き合いもなく、実家にいれば

まるで彼と過ごした日々が

なかったかのように感じる時もある。

それでもいた年月は短くても

彼のことを一番分かっている!

そう言いたいくらい。

死んだときの話もよくしていた。

「もし死んじゃったら…こうするね」

「これ遺影によくない?」

笑って話してたけど現実になった、

だけど他人の私にはどうすることもできなくて

お別れをさせてもらうだけで有り難い、そんな立場。


彼を想って一生を生き抜くなら

もっと確かなものが欲しかった。

何がってわけでもないし

今さらどうにもならないことだし。

私の中で生き続けることには変わりないけど

それでも…

彼をそばで感じていたいのに…


前を向いて幸せになる

ってどうゆうことなんだろ。

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