また逢う日まで

2017年8月、愛する人が亡くなりました。ただただ悲しい気持ちばかりですが、現実と向き合いながら生きていこうと思います。この世にはもういないけれど、また逢える日を信じて。

メール

一人になってからメールが届く。

彼と最後に泊まったホテルから。

サーフィンの国際大会だから

海外の選手もくるし一度は見てみたい!と

わがままを言って連れていってもらった。

ご両親のお世話もあり有休とってたから

行くことができた。

(普段ならあり得ない)

住んでた場所から車で5時間くらいかかった。

その日出番ないのに

五十嵐カノアがきてて

すごく興奮したの覚えてる。

彼が握手してもらって

私はツーショット撮ってもらって。

その時彼のガラケーしかなくて

恥ずかしいって笑ったな。

大会はコンディションがあまり良くなくて

見たい選手の出番はなかったけど

合間に散歩したりいろんな話聞いて楽しかったな。


スーパー寄って夜ご飯買って、ゴルフ場を併設したホテルへ。

書き残したいこといっぱいあるのに

まだ鮮明に覚えてて

涙がとまらなくて

詳しく書けそうにない。

あんなに楽しくて幸せだったのに…

彼が亡くなる2か月くらい前の話。

オリンピック見るための予行練習だったはずなのに

二度と、もう二度とないんだよね。

ほんとあの頃に戻りたい…

いつか、楽しかった思い出として残しておきたいな。


彼と泊まったホテルの予約メールが

今でも残ってる。

何軒か泊まった所からメールがくる。

あの頃は生きていたのに…

そう思ってはいないことに絶望する。


会いたくてたまらないよ。


明日は月命日か…。

贈り物

彼のご家族から荷物が届いた。

不在票の名前を見た瞬間、ドキドキして

何なのか分かりもしないのに

嫌なものじゃないかと不安になった。

何か残したものはあっただろうか

彼の何かなのだろうか。

結局はご厚意?心配?してくれただけなのかな…

という贈り物だった。


彼との繋がりがまだあるようで少し安心した。

彼のご家族以外、彼との接点はほぼない。

共通の知り合いも頼るほどではないから。

それでも『恋人』っていうだけで

大事にしてもらえるのはすごく嬉しかった。


だけど…まだ素直に喜べない私がいる。

前を向いて歩き始めてないから

彼のいない人生を自分の力で

踏み出せていないから。

ちゃんと報告できるようになるまで

彼のご家族とは連絡とらないと思っていた。

心配かけてしまうのもそうだし

何よりも情けなくて…。

だからこそ、早く社会復帰しなきゃと焦り

そんな自分に苛立ち、そしてすべてが嫌になり

投げだす、それの繰り返し。

在宅ワークしてるとはいえ

働かず引きこもってます…なんて言えないよね。

彼に甘えすぎた結果だな。


こんな毎日の生活…

「もったいないっす」

そんな彼の声が聞こえてきそうだよ。

ごめん、ごめんね。

弱くてごめんなさい。


こんな時はどうしたらいいんだろう。

お礼は手紙でも大丈夫かな…?

今の私には電話はできそうにないから…ごめんなさい。


悲しい…寂しい…

彼がいたら、今頃一緒に喜んでいるに違いないのに。

いきなり

いきなりやってくる

彼のいない寂しさ。

どんなに平気そうに見えたって

つまらない一日を過ごしてたって

突然彼がいない現実をつきつけられる。

思い出す…それが原因かもしれないけど

それさえも飛び越えたような感情で…

きっかけなんてないといってもいい。

冷静なはず、心穏やかなはずなのに

パニックみたいになる。


どうして彼がいないのか

なぜ死んだのか

そんなの嫌だ…


分かってるはずなのに。

この前まで確かに彼はいて

幸せに笑う私もいた。

なのに…なぜか…両方ともなくなっていて。

あの日のことを忘れたわけでも

思い出せないわけでもないけど

あの衝撃が今も残ってる。

死んだと伝えられてから

亡くなった彼との対面。

あれが今でもどこか信じられない。

そんないろいろな思いを一人で

受けとめきれなくて。


涙がとまらなくなって

大声で叫びたくなって

彼に抱きつきたくなって…。

どうしようもないこの感情を必死に抑える。

声は出せないし、頼る人もいない。


でもね…

抑えようが溢れさせようが

変わらないんだ

結局何しようと同じ。

そんな私を慰めてくれる

励ましてくれる彼がいないのだから。

なかったことにしたくない

彼と出会わなければ今の私はいない

それでも願いたくなる

あの頃に戻りたい…と。


苦しい、ほんとに苦しいよ…助けて…

幸せな思い出だけおいていかないでよ。